特定非営利活動法人

「越境医療を考える会」代表理事 並木よりご挨拶

2020.10.29


●「特定非営利活動法人 越境医療を考える会」を創設した原動力とは?

四半世紀前、私が初めてアジアの国々を訪れた頃は
まだどの国々も貧しいと感じられるものでした。
あれから約15年の時を経て、中国、シンガポール等
急速な経済発展を遂げてきたと言われる国々もあり、
どの国も経済的に発展してきています。

しかし経済発展の陰で、経済的格差の拡大も指摘され続けて来ました。
この数年アジアの国々を訪れる度に目にしてきたのは
医療にアクセスできないいわゆる「貧困層」、
特に適切な医療を受けることができない人達の姿でした。

私が民間医療の情報提供や、医療へのアクセスサポートを志した原点は
「未来ある子どもたちへ必要な医療を届けたい」という思いであり、
特定非営利活動法人 越境医療の会の原動力であると考えております。

 

 

●貧困に苦しむ人々にも適切な医療の情報を届けること。

海外では一部の富裕層はより高度な最先端医療を求めて、
日本や欧米諸国など医療水準の高いとされる国へ渡ることも珍しくありません。
しかしその一方で経済的制約から、学校へ行くことも、
医療機関を受診することもままならない人々が、確かに存在します。

近頃では新型コロナウイルス禍による、経済的打撃から
日本でも「富裕層」と「貧困層」の格差が更に拡大しつつあるとの
見方もなされており、「医療にアクセスできない人々」という存在はもはや
発展途上国だけの問題に限られなくなったといえるのです。

私たち「越境医療を考える会」は、適切な医療へアクセスする為のサポートと
経済的理由に左右されない「民間医療」の情報提供という
二つの側面から、貧困に苦しむ人々の医療をサポートして参ります。

 

 

●難病を抱える患者や患者の家族の精神面をサポートすること。

『医療を受けることの究極の目的は「豊かに生きる」ことではないか。』
私はそう考えております。
「豊かに生きる」とは何か。
それは単に医療処置を受け「病を治す」ことではないように思います。

病と向き合う患者本人が、同じ病を抱える患者同士のコミュニティに参加し
精神的なストレスを和らげること。
患者の家族の経済状況、生活スタイル、そして不幸にも家族を亡くしてしまった患者家族の精神的ケア。
そういった患者をとりまく環境への対処を含めて、医療サポートといえるのではないでしょうか。

越境医療を考える会は、患者や患者を取り巻く周囲の人々が
「より豊かに生きる」ための場を創出して参ります。